headless 曰く、
ケニアの雇用・労働関係裁判所の Jacob Gakeri 判事は 6 日、Facebook の過酷なコンテンツモデレート作業で PTSD を発症した元モデレーターがケニアで Meta を訴えることが可能との判断を示した
(The Standard の記事、
The Star の記事、
Metropol TV の記事、
Neowin の記事)。原告の Daniel Motaung 氏は 2019 年、Facebook (現 Meta) のアウトソーシング先だった Samasource (現 Sama) にズールー語話者のコンテンツモデレーターとして雇われる。会社からはデータアナリストの最終候補に残っていると言われ、喜んで南アフリカからケニア・ナイロビに移住した。しかし、その仕事は時給 2 ドル程度で毎日何時間も児童虐待や暴力、自殺、ヌードなどのひどく露骨な画像を見続けることであり、Motaung 氏は多くの同僚と同様に PTSD を発症することになる。Motaung 氏が 100 人以上の同僚を率いて待遇改善を求めたところ、解雇されてしまったとのこと。
そのため Motaung 氏は昨年 5 月、劣悪な同労環境での搾取や不十分な精神衛生サポート、約束よりも低い給与、労働組合結成の妨害などを理由に同様の環境にある同僚を代表して Meta と Sama を提訴。Meta はケニアで事業を行っていないので雇用・労働関係裁判所に司法権がないなどと主張して訴状からの除外を請求していた。一方、原告側弁護士はケニアで Facebook など Meta のサービスが広く使われていることや、ケニアでの広告収入について納税していることを指摘し、ケニアで事業を行っていないという主張に反論していた。
判事は Matoung 氏が Sama の契約を通じた Meta との関係を十分に示しており、この段階で Meta を訴状から除外するのは時期尚早と判断した。Sama は OpenAI が学習データから有害コンテンツを除外するためのラベル付け作業も請け負っていたが、ケニアでの Facebook の過酷なモデレーション作業 (本件) が報じられたことを契機に契約を打ち切ったとみられる。また、1 月にはセンシティブなコンテンツにかかわる業務をすべて打ち切ると発表している。
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Source: スラッシュドット