フランス・ロシア・ドイツの研究チームは、北極圏にある4万8500年前の永久凍土からウイルスを分離し、蘇生することに成功したという。永久凍土は地球温暖化の影響で急速に減少している。この結果、氷の中に眠っていたこうしたゾンビウイルスや細菌が復活することなどが危惧されている。永久凍土における生きたウイルスの研究では、2014年のピソウイルスと2015年のモリウイルスに関するもの以降は報告されていなかったという。そんな中、今年の2月にフランスの研究者ジャン=ミシェル・クラヴェリー氏らのチームは、永久凍土に眠るマンモスの毛皮の中からいくつかの古代のウイルスを分離して復活させることに成功したと発表した(MDPI、Euronews、CNN、GIGAZINE)。
今回見つかった13種の新しいウイルスのうち7種はパンドラウイルス属だった。この中で最古のものは永久凍土の深部で4万8500年もの間眠っていたパンドラウイルス・イェドマで、このウイルスは永久凍土から復活した後も感染力を保っていたとされる。今回の調査では、研究チームは安全のために単細胞生物のアメーバに感染するウイルスだけを選んで復活させたとしている。アメーバウイルスが生存しているのであれば、他のウイルスも感染能力を保持しているだろうとの推論からこうした調査方法を取ったとしている。
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Source: スラッシュドット