headless 曰く、
Philips が同社の MRI 装置 Panorama 1.0T HFO に爆発の危険があるとして、米国でリコールを実施している
(米食品医薬品局のリコール情報、
The Register の記事)。リコールの原因となった現象が発生するのは、マグネットのコイルが超伝導状態を維持できなくなり、熱に変換された大電流が周囲の液体ヘリウムを大量に蒸発させる「クエンチ」と呼ばれる過程だ。蒸発したヘリウムは排気システムを通じて屋外に放出されるが、何らかの原因で排気システムが詰まると仕様上の上限を超える圧力で爆発する可能性がある。Panorama 1.0T HFO では通常の利用時やオペレーターが緊急停止ボタンを押した場合などに意図しないクエンチが発生する可能性があるとのこと。この機器は 22 年前から使われているが、実際に爆発が発生したのは 1 回のみで、負傷者などは出ていないそうだ。
Philips North America LLC では 11 月 20 日に緊急修正通知を顧客に送っており、Philips のエンジニアによる検査と必要に応じた修理等が完了するまでの使用停止や緊急事態以外で手動のクエンチを行わないことなどを求めているという。今回のリコールでは米国内の 150 台が対象だが、全世界では計 340 台が使われているとのことだ。
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Source: スラッシュドット