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EU 航空安全機関、パイロット 1 名での旅客機運航を目指す

EU 航空安全機関 (EASA) では、最小限のクルーによる旅客機の長時間運航 (eMCO) やパイロット 1 名での運航 (SiPO) を目指して調査を行っているそうだ
(The Register の記事
EASA のプロジェクトページ)。

eMCO / SiPO の主な目的はコスト削減とクルー不足対策だ。国際民間航空機関 (ICAO) が 8 月に発表した報告書 (PDF) によれば、EASA は EU の航空機メーカーとともに特定の航空機で eMCO / SiPO を実施するための基準を策定しているという。EASA が特に重視しているのはパイロットの負担増や判断ミス、体調不良、疲労、睡眠慣性、生理的要求への対策だ。

キャセイパシフィック航空の Chris Kempis 氏は先月、国際航空運送協会 (IATA) のセーフティカンファレンスで SiPO を「避けることのできない挑戦」と位置付ける一方、自動化による操縦室クルー削減の歴史に触れて 3 人のクルーを 2 人に減らした時よりも何倍も何倍も複雑だと述べている。また、ボーイング東南アジアの Alexander Feldman 氏は先週 Bloomberg のビジネスサミットで、自律運航を組み合わせた SiPO の実現について「技術的な障壁よりも心理的な障壁の方が高いかもしれない」と述べている (Bloomberg の動画記事)。

ICAOは別の報告書 (PDF) で自動化されたソリューションについて、十分な休息をとり、資格を持ち、よく訓練されたもう一人のパイロットが機内にいるのと同レベルの安全性とセキュリティは得られないと述べている。また、匿名を条件に The Register のインタビューに答えた民間機パイロットは 2 人のパイロットを乗せることについて、安全に目的地へたどり着けるなら安いものだと述べたとのこと。

米連邦航空局 (FAA) では操縦士のいずれか1人が客室に出る場合、乗務員が操縦席に座ることを義務付けている。EASA では副操縦士が機長を操縦室から締め出して故意に旅客機を墜落させた 2015 年のジャーマンウイングス 9525 便墜落事故を受け、FAA と同様の規定を設けている。

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Source: スラッシュドット