自民党は5日、政調審議会の中でNTT法の廃止に向けた提言を公表した。提言は大きく4項目で構成されている(NTT法の在り方を巡って提言をまとめる 政調審議会、ASCII.jp)。
一つ目は「研究の推進・成果の普及に関する責務」。NTT法第三条に定められている研究成果の開示義務の廃止に関するもので、審議会ではこの撤廃を提案。国際競争が激しくなっていること、そして経済安全保障の点からも研究成果の公開に関しては経営判断として行われるべきとしている。
二つ目は「電話の薬務のあまねく提供(ユニバーサルサービス)関する責務」に関するもの。NTT法ではNTT東西に固定電話のユニバーサルサービス提供責務を課している。メタル回線による固定電話は、2023年3月時点では約1500万件にまで減少。こうした固定電話の需要減少や設備の老朽化を考慮し、無線通信を含めた手段でサービス提供を可能とする電気通信事業法を改正する提案となっている。
三つ目は「NTT法第3条の「責務」(1と2)を果たすための担保措置」で、端的に言えば政府による株式保有義務の撤廃にあたる。政府は現在、発行済株式の総数の三分の一以上を保有する義務があるが、上の二つのNTT法第三条の責務が撤廃された場合、株式保有義務も撤廃すべきとしている。
四つ目は「公正な競争環境の整備」。NTT法が廃止されると、NTT東西やドコモとの合併などにより、公正な競争環境が損なわれるのではないかとの懸念が出ていることから、これの法的な担保として、電気通信事業法の改正でで統合の禁止を措置することを検討すべきとしている。
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Source: スラッシュドット