headless 曰く、
フロリダ州立大学などの研究グループがラットを使用したシミュレーション実験を通じ、宇宙で銀河宇宙放射線 (GCR) と無重力状態にさらされることで男性の勃起不全(ER)に関連する血管組織が悪影響を受け、長期の回復期間後にも影響が残ることを示した
(論文アブストラクト、
プレスリリース、
The Register の記事)。実験では Fisher344 ラットの成獣86匹をランダムに 6 つのグループに分け、後肢免荷 (HLU) と体重負荷コントロール、NASA 宇宙放射線研究所の GCR シミュレーターによる3段階の吸収線量 (0 Gy / 0.75 Gy / 1.5 Gy) の組み合わせで、4 週間にわたる曝露を行った。12 ~ 13 か月の回復期間後、末梢内陰部動脈 (dIPA) と海綿体 (CC) に対する影響を生体外で分析したところ、比較的低い吸収線量かつ弱い低重力状態であっても、主に酸化ストレスの増加により血管組織の変化が引き起こされることが示された。
GCR は非アドレナリン作用性非コリン作用性 (NANC) 神経を介した dIPA と CC の弛緩を損なうが、影響を受けた組織に抗酸化剤やキサンチンオキシダーゼ阻害剤、アルギナーゼ阻害剤などを用いることで CC では NANC 神経媒介弛緩の回復が見られたとのこと。このような研究成果は宇宙探査ミッションで配慮の必要な新しいリスクを示すが、これによる ED が回復可能であることも示唆するとのことだ。
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Source: スラッシュドット