海賊版サイトへのアクセスをブロックするマルウェアキャンペーンについてSophosが解説している(Sophos News の記事、 TorrentFreakの記事、 HackRead の記事、 Ars Technica の記事)。
Sophos が「Vigilante」と呼ぶマルウェアはさまざまなゲームの海賊版を装って BitTorrent で配布されており、リンクが Discord で共有されているという。マルウェアを実行すると「MSVCR100.dll」が見つからないといった偽のエラーメッセージを表示し、バックグラウンドで処理が行われる。処理の内容としては、キルスイッチとみられるファイル名やレジストリ値の検索を行い、見つかればそこで処理を終了し、見つからなければ hosts ファイルの書き換えを行う。
また、インターネットに接続している場合はファイル共有サービス 1fichier のタイポスクワッティングサイトに接続して「ProcessHacker.jpg」という名前の実行ファイルをダウンロードするほか、マルウェアのファイル名を送信する。ただし、このサイトは既にアクセスできなくなっているとのこと。マルウェアの圧縮ファイルにはハッシュ値を変えて別ファイルとして配布するためのデータが同梱されている。.nfo という拡張子のファイルには先頭1,150バイトをゴミデータで埋めた後に人種差別的表現が1,000回以上繰り返されているそうだ。
hosts ファイルに追加されるエントリは ThePirateBay など数100~1,000件以上の海賊版サイトドメインを localhost アドレスの127.0.0.1に割り当てるものだ。ただし、マルウェアが常駐することはなく、ユーザーが hosts ファイルの変更を元に戻した場合、再びマルウェアを実行しない限り攻撃が続くことはない。Sophos の Andrew Brandt 氏は10年以上前に同様のマルウェアを発見しているが、そこから特に進化した様子は見られないとのことだ。
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Source: スラッシュドット