自動車保険各社は、ビッグモーターによる不正な保険金請求問題を受けて、保険契約者に修理前に故障箇所の写真や動画を撮影することを奨励しているという。これは本来、不正請求を見抜くはずの損保各社が、保険の不正請求を防ぐための保険契約者の「自衛策」に頼る形となっているとしている(毎日新聞)。
損保各社は事故車両の修理費の査定において、アジャスターと呼ばれる専門調査員による直接の「立ち会い調査」と、工場から提供される見積もりや写真をもとにアジャスターが協議して修理費を決定する「画像調査」などの方法を使用している。立ち会い調査は約2割で、画像調査が7~8割を占めるという。
ビッグモーターの件ではこれを悪用。写真の撮影角度を工夫し、車体に傷があるかのように見せかけて修理費用を過大に請求する不正を行っていた。不正の防止には立ち会い調査が効果的だが、アジャスターの不足から、これを実施すると納車までの期間が長くなってしまうという。
不正事件を受けて、各損保会社は不正を防ぐために過去のデータを活用し、立ち会い調査に切り替える方針。しかし、最終的には保険契約者自身が「自衛策」をとることに頼らざるを得ないとしている。損保側でも、スマートフォンで車全体の動画を撮影できるアプリを提供したり、事故車両の写真を撮影するよう奨励したりしているという。
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Source: スラッシュドット