ロックウェル・コリンズ社の元技術フェローであったDavid W. Jensen氏は、わずか12年で建設可能な小惑星ステーションの構想を提示した。この構想によれば、建設費用は約41億ドル(約6000億円)で、小惑星上に回転式ステーションを建設、人工重力を生成することが可能であるとされている。居住可能な環境を構築するには追加のコストが必要となるものの、現状の技術レベルでも十分建設可能だとしている(sorae)。
この構想では小惑星は宇宙ステーションの建設に適しているとされ、その中でも最良の候補として163693番小惑星「アティラ(Atira)」が提案されている。アティラは本体が直径約4.8kmの小惑星で、直径約1kmの衛星を持っている。地球とほぼ同じ軌道を公転しているため、ステーションの内部温度を維持する上で有利だという。ステーション全体の構造について、アティラを中心としたトーラス型 (ドーナツ型) の居住区を配置、小惑星とステーションを自転車の車輪とスポークのようにつなぐことにより、微小隕石や放射線のような脅威から内部を守ることや、小惑星の自転から得た遠心力によって人工的な重力を生み出すことが考えられているという。ステーションの建設にはクモ型ロボットが使用されるとされている。
あるAnonymous Coward 曰く、
元記事では宇宙ステーションとなっているが、土地の広さが合計10億平方メートル(札幌市や広島市とほぼ同じ面積)で遠心力で人口重力もあるということなので、日本ではスペースコロニーと呼んだ方が良い内容だろう。送り込む重量は約8.6トンとロケットは問題ないだろうが、そのような自己複製型ロボットは地球上でもまだ実現していないと思われるので、先にそちらを開発する必要がありそうだ。
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Source: スラッシュドット