あらゆる場所でのコミュニケーションで絵文字は使われるようになっているが、絵文字の持つ文意に関して、法廷でも問われるようになってきているらしい。The Week UKの記事によると、例えば、英国では手書きの遺言書で絵文字が使用され、その解釈を巡って争いが生じた。カナダでも、穀物購入者と農家の間の契約をめぐる紛争で、絵文字が契約の有効性に関わる判決に影響を与える事例が報告されているそうだ(The Week UK )。
絵文字は法廷で初めて使用されたわけではなく、2018年にはアメリカの訴訟では、うんちの絵文字が証拠として取り上げられたり、カリフォルニアでは売春斡旋の告発で絵文字の使用が争点となったりした。また、中国でも過去5年間に司法当局が絵文字が証拠として認められたケースが158件ほどあったという。
英国の刑事法や家族法、雇用法の公聴会でも絵文字の使用が増加しており、裁判官は絵文字の意味を正確に把握する必要が出てきているそうだ。しかし、過去の判例集などでは絵文字が省略されたり、誤りとして扱われたりしており、絵文字の意味を調べること自体が困難となっているらしい。
最近では、コロナ禍以降のリモートワークの増加で、職場でも専門用語や堅苦しい言葉を減らし、絵文字が使われることが増えているが、絵の解釈違いによる法的なリスクも存在している。例えば、多くの国の人々が桃の絵文字を浮気を連想させる一方で、韓国では71%の回答者が文字通り果物としての「桃」に解釈された。同様に中国では茄子の絵文字が実際の野菜を指すと考えた回答者は56%ほどしかいなかったという。
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Source: スラッシュドット