名古屋市立大学と国立台湾大学の研究チームは21日、特殊な照明光を使用することでヒトの視力におけるコントラスト感度を改善できるとする研究を発表した。彼らは2000年頃に発見されたメラノプシン神経節細胞(ipRGC)と呼ばれる視細胞を刺激することで、コントラスト感度が向上することを実験で示した。この細胞は視覚以外の役割も果たす可能性があるとされているものの、その機能の詳細はまだよく分かっていないそうだ(名古屋市立大学リリース[PDF]、The Optronics)。
辻村教授の研究室では、光の色を調整し、メラノプシン細胞のみを刺激できる装置を開発。メラノプシン細胞のコントラスト感度に対する影響を実験で調査した。コントラスト感度は、文字や画像の明るさの濃淡の違いを識別する能力。実験では、照明光の輝度や色度を変化させずにメラノプシン細胞への刺激量を増加させることで、人間のコントラスト感度が向上することを発見したとしている。
この発見により、新しい照明装置やディスプレイの開発が期待されるだけでなく、高齢者の視力改善にも役立つ可能性があるとしている。
pongchang 曰く、
メラノプシン神経節細胞(ipRGC)は既日リズムや瞳孔の開閉など明るさを感じる視細胞であるが視機能には関与しないと考えられていた。
メラノプシン細胞を選択的に刺激する特殊な光スペクトラムを用いることによってコントラスト感度を促進することができた。(名古屋市立大のpdf、記事、https://doi.org/10.1016/j.visres.2023.108271)目のかすみに優しいディスプレー
| テクノロジー
| テレビ
| 医療
|
関連ストーリー:
時間当たりのブルーライト照射量、7割以上がスマホ・パソコンのほうが太陽光が強いと誤解
2023年03月21日
文部科学省の初調査により小中学生の視力低下が明らかに
2022年06月28日
iPS細胞を使った初の網膜手術に成功。神戸の病院
2021年03月13日
Source: スラッシュドット