headless 曰く、
米国のイエローストーン国立公園と周辺地域を含む大イエローストーン生態系では、ハイイログマの生息密度が上昇し、一部の高カロリーな餌が減少しているにもかかわらずハイイログマの体脂肪レベルに大きな変化はないそうだ
(USGS のニュースリリース、
The Verge の記事、
論文)。ハイイログマが入手しにくくなっている高カロリーな餌の例としてはノドキリマスや、米政府が絶滅危惧種に指定しているマツの一種アメリカシロゴヨウの種子、ヘラジカの群れが挙げられている。一方、ハイイログマは種の保存法で対象となって保護が進められた結果、生息密度が上昇している。
USGS を含む米国とイタリアの研究者による研究チームが過去 20 年分以上のデータを調べたところ、ハイイログマの除脂肪体重は生息密度の高い地域で低下しているが、体脂肪レベルは生息密度にかかわらず変動はみられなかったという。体脂肪はハイイログマにとって冬眠中のエネルギー源として不可欠であり、繁殖年齢のメスが妊娠・出産・授乳をするためにも重要だ。
除体重脂肪の減少は特に成長中のメスで目立つが、体脂肪は必要なだけの高レベルを保っており、成熟すると標準的な体重となる。ハイイログマは雑食性で行動範囲が広く、ある餌が少なくなれば他の餌に変えるといった柔軟性により、体脂肪レベルを維持できていると考えられるとのことだ。
| サイエンス
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Source: スラッシュドット