headless 曰く、
NASA が 4 月 3 日から 7 日にかけて、火星探査車 Curiosity の大規模なソフトウェア更新を実施したそうだ
(NASA ジェット推進研究所のブログ記事、
The Register の記事)。今回の更新は NASA が前回ソフトウェアをオーバーホールした 2016 年から構想していたものだといい、細かいものから大きなものまで 180 か所程度の変更が含まれる。大規模な変更の一つは、移動を高速化するものだ。最新の火星探査車 Perseverance では移動時に前方の地形を撮影し、走行しながら専用コンピューターで処理して自律的なナビゲーションを行う。このような専用コンピューターを搭載しない Curiosity では、一定の距離ごとに停止して処理を行う必要がある。ソフトウェア更新後も一定の距離ごとの停止が必要な点については変わらないが、停止時間が大幅に短縮されて移動に使える時間が長くなったとのこと。
もう一つの大きな変更点はホイールの摩耗を減らすためのものだ。Curiosity のアルミニウムホイールは 2013 年の段階で既にトレッド破損の兆候が見られており、乗り越える岩石の状態によって速度を調整して摩耗を減らすアルゴリズムが追加されている。最新のソフトウェアでは Curiosity が特定地点に向けて弧を描くように走行する際、ステアリングの量を減らす2つのコマンドが導入された。この動作は火星探査車 Spirit と Opportunity で「あったらいい機能」として考えられたが、実装されなかったのもだという。
Curiosity が火星に到着して間もなく 11 年となるが、NASA では引き続き新しいアイディアを実装してミッションを効率化できるとのことだ。
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Source: スラッシュドット