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米モンタナ州、みんなが湧き水だと思って飲んでいた「原水」は小川の水だった

米国では浄水処理を行っていない「原水 (raw water)」の飲用が流行し、深刻な健康被害を招いているという。米疾病予防センター (CDC) の 14 日付週次報告書 Morbidity and Mortality Weekly Report (MMWR) では、昨年 5 月にモンタナ州西部で発生した原水飲用によるカンピロバクター症アウトブレイクを紹介している
(報告書
Ars Technica の記事)。

昨年 5 月 9 日、モンタナ州サンダーズ郡では過去 5 年間の年平均に匹敵する 6 件のカンピロバクター症が報告され、その後 6 週間で 19 件まで増加した。これにより 1 人が入院したが、死者は報告されていないという。患者は 19 人全員が郡内パラダイスの取水場所 A で取水した原水を飲用しており、郡の衛生当局が 23 リットルの水を採取して調査したところ、カンピロバクター (Campylobacter jejuni) が検出された。患者から採取したサンプルとの全ゲノムシーケンシング結果比較や疫学的データにより、アウトブレイクの原因が取水場所Aの水を飲んだことだと確認される。

取水場所 A では 1900 年代初頭に設置されたと考えられるコンクリート製の箱から水が流れ出しており、地元では多くの人が湧き水だと信じて飲用にしていたという。しかし、この施設は州交通局が小川による鉄道の道床浸食を防ぐため建設したもので、実際に流れ出していたのは小川の水だったそうだ。サンプル採取時に箱の中からは空の鳥の巣が見つかっており、鳥が水の汚染源になった可能性が高い。6 月には州環境品質局が取水場所 A を安全な飲用水の基準を満たすべき公共の水源と判断。州交通局は水が取水場所 A から流れ出さないよう流れを変えており、以降の健康被害は報告されていないとのことだ。

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Source: スラッシュドット