あるAnonymous Coward 曰く、
SDGs (持続可能な開発) やフェアトレードが謳われる昨今であるが、チョコレート各社がそうしたお題目を唱えながらも、実際には代金の値上げを有耶無耶にする政策を取り、こうした枠組みが失敗していることを4日付のロイター通信が報じている。
チョコレートの原料となるカカオ豆の生産では、児童労働や貧困、森林破壊がたびたび問題視されており、近年はこうした問題を防ぐために倫理的に取引を行うことが謳われている。そうした流れもあり、2019年にコートジボワールとガーナの政府が共同で農家の生活所得を保障するプログラム (LID) を開始、チョコレート各社と1トン当たり最低400ドルの生活賃金保障金を上乗せすることで合意した。ところが、現実には各社はLIDの上乗せ分を払うためにこれまで払っていた産地プレミアムを減額、農家の収入は全く増えなかったという。
米ネスレやハーシー、マース、スイスのリンツ&シュプルングリー、伊フェレロなどの各社はこの取材に対して、LIDの上乗せ分や中には追加で持続可能プログラムとしてさらなる代金を支払ったと回答したが、一方で産地プレミアムの減額については一社も回答しなかったという。こうした事態を受けて、減額した企業の名前を公表しようという動きもあるようだが、両国とも最大の買い手との対立が行き過ぎることの懸念もあるなど、なかなか難しいようだ。
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Source: スラッシュドット