米ワシントン州ピアース郡上位裁判所が 2 日、度重なる裁判所命令にかかわらず 1 年以上にわたって結核の治療を拒否し続けていたタコマの女性の逮捕と強制治療を認める令状を発布したそうだ
(タコマ-ピアース郡保健局のブログ記事、
Ars Technica の記事、
The News Tribune の記事、
The Seattle Times の記事)。
女性は結核を発症しており、タコマ-ピアース郡保健局では強制的な隔離と結核症治療を義務付ける裁判所命令を 2022 年 1 月からたびたび取得していたが、女性は不明な理由で拒否し続けていた。しかし、今年 1 月には乗客として乗っていた車が衝突事故を起こし、翌日に胸の痛みを訴えて病院の救急科を受診。結核症であることを知らされなかった病院では X 線写真を見て肺がんを疑うほど病状が悪化していたという。さらに当時女性は COVID-19 検査で陽性になっており、自主隔離も行わずに車の運転手や病院スタッフを結核感染の危険にさらしただけでなく、この日以外でも他人と接触していたことが明らかになった。
そのため、保健局では感染拡大を防ぐためには逮捕と強制治療を裁判所が命ずる必要があると判断したようだ。女性の名前と年齢は公表されていないが、母国語は英語ではないようだ。女性の弁護士は女性が自身の病状を理解していない可能性があると述べている。保健局では 3 月 3 日までに女性が治療に合意しなければ令状を執行する意思を示しているが、現在のところ新たな動きは発表されていない。保健局によると、多くの患者は治療に協力的であり、ここまで拒否されるには珍しいとのことだ。
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Source: スラッシュドット