米著作権局が昨年 9 月に著作権登録したコミックブック (グラフィックノベル)「Zarya of the Dawn」の画像に著作権が認められないと判断を覆し、画像を除いた著作権登録証を再発行したそうだ
(The Verge の記事、
Ars Technica の記事、
作者のInstagram 投稿、
著作権局の書状: PDF)。
作者の Kris Kashtanova 氏は画像生成 AI プログラム Midjourney を用いてアートワークを生成し、自ら書いたテキストと組み合わせてレイアウトしている。当時 Kashtanova 氏は AI でアートワークを生成したとの説明付きで著作権登録を申請したと報じられていたが、著作権局によると表紙には「KASHTANOVA」「MIDJOURNEY」というテキストが入っていたものの、申請書に AI でアートワークを生成したことは記載されていなかったという。
そのため、著作権局ではアートワークが AI で生成されたことを著作権登録完了後に作者のソーシャルメディア投稿などで知ることになったそうだ。これを受けて著作権局は作者への確認などを行い、テキストのほかアートワークの選択と調整、テキストとアートワークの配置についてのみ著作者として認められると判断。元の著作権登録証を破棄して新たな著作権登録証を発行したとのこと。
著作権局は AI を著作者として認めないが、AI を使用した人間が著作者として申請した場合の扱いは明確ではなかった。そのため、この作品が著作権登録されたことで AI が生成した画像でも人間が著作者として申請すれば認められると思われた。しかし、著作権局によると、Midjourney の生成した画像は指示を与えた人間の著作物としては認められないとのことだ。
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Source: スラッシュドット