headless 曰く、
マルウェア検出・削除の仕組みを悪用して非特権ユーザーが任意ファイルを削除可能な脆弱性が複数のセキュリティソフトウェアで見つかり、報告を受けた各社が修正を行ったそうだ
(SafeBreachのブログ記事、
Neowin の記事、
Dark Reading の記事、
Black Hat Europe 2022 の告知記事)。この脆弱性は検出したマルウェアがロックされていて削除されない場合、Windows の再起動後に削除を実行する処理に存在する。攻撃者は一時ディレクトリ内に削除するターゲットファイルと同じ名前のマルウェアファイルを作成し、そのままハンドルを閉じずに待機する。セキュリティソフトウェアがマルウェアを検出し、再起動後の削除を予約したら一時ディレクトリを削除し、同じパスでターゲットファイルが格納されているディレクトリを示すようにディレクトリジャンクションを作成する。あとは Windows が再起動されるとターゲットファイルが削除されるという仕組みだ。
発見した SafeBreach は 11 本のセキュリティソフトウェアをテストし、Microsoft Defender・Microsoft Defender for Endpoint・SentinelOne EDR・TrendMicro Apex One・Avast Antivirus・AVG Antivirus の 6 本が影響を受けることを確認。Palo Alto XDR・Cylance・CrowdStrike・McAfee・BitDifender の 5 本は影響を受けなかったという。なお、Microsoft 製品の場合、ターゲットファイルだけでなくファイルが格納されているディレクトリごと削除されるとのこと。
この脆弱性を利用して SafeBreach が作成したワイパーツールは日本の合気道にちなんで「Aikido Wiper Tool」と呼ばれている。ファイル削除はセキュリティソフトウェアが実行するため検知されることはなく、非特権ユーザーとして実行してシステムを起動不可能にしたり、特権ユーザーにアクセスが制限されている重要なデータを消去したりといったことが可能だ。セキュリティソフトウェアが検疫したファイルを格納するフォルダーを削除することも可能だという。
報告を受けた Microsoft は CVE-2022-37971、TrendMicro は CVE-2022-45797、Avast と AVG は CVE-2022-4173 を割り当て、それぞれ脆弱性を修正している。SentinelOne からは連絡が来ていないとのことだ。
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Source: スラッシュドット