ケチャップなどスクイーズボトルに入った粘性の高いソースの残りが少なくなった場合、ゆっくりと押し出さないと空気が「ブシュツ」と噴き出てソースが飛び散ってしまうが、この仕組みをオックスフォード大学の研究チームが実験を通じて明らかにしている
(オックスフォード大学のニュース記事、
Ars Technica の記事)。
実験は粘性の高いオイルで満たした毛細管に注射器で空気を送り込むという形で行われているが、スクイーズボトル入りのケチャップにも適用できるという。論文のプリプリント版は昨年 12 月に公開されており、先日アメリカ物理学会の流体力学部門カンファレンスで研究者が発表を行ったそうだ。
スクイーズボトルを絞るとボトル内の空気が圧縮され、ソースを押し出そうとする。ソースは粘性抵抗によりボトル内にとどまろうとするが、押し出す力が上回れば絞り出されることになる。ボトル内のソースが減少すると粘性抵抗も減少し、ボトル内の空気が増加すると押し出す力も減少する。
このままうまくボトルを絞り続ければすべてのソースが取り出されて粘性抵抗も消えるが、空気が先に噴き出してソースが飛び散ってしまうことも多い。研究チームが線形力学を用いて分析したところ、空気の量や圧縮率、ノズルの口径など数多くの要素が影響する閾値があり、閾値を超えるとソースが飛び散ることが判明したという。閾値を超えた状態では押し出す力が粘性抵抗よりも早く減少し、空気が超過圧縮される。超過圧縮された空気はばねが反発するように急速に吹き出し、残り少ないソースを飛び散らせることになる。
そのため、ソースを飛び散らせない方法はゆっくりと絞り出すほか、口径を広げる方法も考えられるという。このようなボトルではノズルと一体化したキャップが取り外せるものも多いため、取り外せば口径を広げることができる。特に最近のノズルにはこぼれにくいよう弁が付けられているものもあり、この仕組みが飛び散りを激しくする結果になるとのことで、最後は取り外して使うといいのかもしれない。
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Source: スラッシュドット