あるAnonymous Coward 曰く、
京都大学などの共同研究グループは、北海道の春採湖などに生息する緋色のフナ「ヒブナ」について、クローンフナと約 100 年前に放流されたキンギョの交雑に由来することを突き止めた
(京都大学のニュース記事、
論文)。春採湖は「春採湖ヒブナ生息地」として天然記念物に指定されているが、ヒブナ自体は天然の産物というより、広義の人の作り出したものといえるのかもしれない。ちなみにキンギョは、フナの突然変異を人為的に選択し、観賞用に交配を重ねた結果生まれた観賞魚だそうな。
今回の論文の筆頭著者と最終著者は別の国際共同研究グループで昨年、クローン繁殖する 3 倍体のフナ (クローンフナ、いわゆるギンブナ) がまれに 2 倍体のフナ (有性フナ) と有性生殖し、遺伝的多様性を獲得してきたという研究成果を発表している。ヒブナはこのような多様化の過程を示す興味深い事例であるが、在来集団の遺伝的固有性を守るためにも金魚の放流やヒブナの拡散が起こらないよう啓発していく必要があるとのことだ。
| サイエンス
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Source: スラッシュドット