Debian プロジェクトが採決を行い、公式イメージのインストーラーで非自由な (プロプライエタリの) ファームウェアを同梱可能にした
(決議案、
採決結果、
The Register の記事)。
Debian では長らく非自由ファームウェアのサポートを避けてきたが、このようなファームウェアバイナリなしではモダンなコンピューターが完全に動作しなくなってきているというのが提案理由だ。
選択肢は大きく 3 つに分けられる。
- 非自由ファームウェアを含む唯一のインストーラー
- 非自由ファームウェアを含むインストーラーと含まないインストーラーの両方
- 非自由ファームウェアを含むインストーラーを認めない
実際のオプションは以下のような 7 つとなる。
- 唯一のインストーラー
- 両方のインストーラーで非自由ファームウェアを含む方を推奨
- 両方のインストーラーを提示可能にする
- 非自由ソフトウェアを含むインストーラーを Debian の一部と認めない
- 非自由ファームウェアを含められるよう Debian 社会契約を変更、唯一のインストーラー
- 非自由ファームウェアを含められるよう Debian 社会契約を変更、両方のインストーラー
- どれも該当しない
採決を勝ち抜いたのはオプション 5。Debian 社会契約の 5 番に「非自由ファームウェアを必要とするハードウェアを Debian で使用可能にするため、Debian の公式メディアには Debian の一部ではないファームウェアが同梱される可能性がある」といった趣旨の文言を追加し、同梱されるファームウェアバイナリはシステムの判断によりデフォルトで有効化されるといった声明を出すことになっている。
これにより、次期 Debian 12 (コードネーム: Bookworm) では、公式メディアに非自由ファームウェアが同梱可能となる。
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Source: スラッシュドット