headless 曰く、
ベルギー・アントワープ大学などの研究グループが、キツツキの頭蓋骨に木つつき時の衝撃を吸収する仕組みが備わっていないことを示す研究成果を発表している
(ニュースリリース、
Ars Technica の記事、
論文)。木つつき時の衝撃は脳に有害だが、キツツキが脳しんとうを起こすことはない。その理由として頭蓋骨に衝撃を吸収する仕組みが備わっているとする仮説が広く支持されており、衝撃を吸収する素材や器具の開発をインスパイアしたり、イグノーベル賞を受賞したりしている。木つつき時の衝撃で脳にダメージを負っている可能性を示す研究成果も発表されているが、研究者が動物園でキツツキを撮影した際も来場者が子供に対して衝撃吸収説を語っていたそうだ。
しかし、衝撃を吸収する仕組みが頭蓋骨に備わっているとすれば木つつき力が低下するため、自然淘汰により進化したとは考えにくい。研究グループが 3 種のキツツキをハイスピードビデオ撮影し、木つつき時の動きを調査したところ、頭蓋骨が衝撃を吸収するのではなく、堅いハンマーのように機能して木つつき力を高めていることが判明したという。また、木つつき時の衝撃がヒトやサルに脳しんとうを引き起こすのに十分であるのに対し、キツツキの頭蓋骨の大きさや形状では脳しんとうを引き起こすレベルを超えないことがシミュレーションで確認されたとのことだ。
| サイエンス
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Source: スラッシュドット