NASA とロスコスモスは 15 日、国際宇宙ステーション (ISS) へのクルー輸送ミッションにおける宇宙船の座席交換に正式合意した
(TASS の記事、
SpaceFlight Insider の記事、
Ars Technica の記事、
NASA の声明)。
米民間機による ISS クルー輸送ミッションが実現し、NASA が高価なソユーズの座席を購入する必要はなくなったが、宇宙船の相互利用には外交上の利点だけでなく運用上の利点もある。ロシアのウクライナ侵略を受けて実現には疑問符が付く中、ロスコスモスのアンナ・キーキナ宇宙飛行士と NASA のフランク・ルビオ宇宙飛行士はそれぞれ Crew Dragon の Crew 5 ミッションとソユーズの MS-22 ミッションに搭乗すべく準備を進めていた。
NASA の声明によると、9 月には計画通りルビオ宇宙飛行士が MS-22 ミッション、キーキナ宇宙飛行士が Crew-5 ミッションに搭乗し、来春には NASA のローラル・オハラ宇宙飛行士が MS-23 ミッション、ロスコスモスのアンドレイ・フェディアエフ宇宙飛行士が Crew-6 ミッションに搭乗するという。座席交換にあたり、フライト以外の経費も含めて金銭的やり取りは一切ないとのこと。NASA は 5 つの宇宙機関 (CSA・ESA・JAXA・NASA・ロスコスモス) のすべてが ISS の維持に欠かせないことを強調している。
キーキナ宇宙飛行士は 15 日にロシアのテレビ局 Rossiya-24 のインタビューに対し、米国での訓練にあたって国際情勢の推移による影響はなく、相互に良好な関係が保たれていると語ったという(TASS 英語版の記事)。キーキナ宇宙飛行士は 2002 年のスペースシャトルミッション以来、初めて米宇宙船に搭乗するロシアの宇宙飛行士となる。
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Source: スラッシュドット