ガジェット

米食品医薬品局、メンソールタバコ禁止へ

米食品医薬品局(FDA)は4月29日、メンソールを紙巻きタバコで使用が禁じられるフレーバーと位置付けることと、葉巻でメンソールを含むフレーバーの使用を禁ずる計画を明らかにした(プレスリリース)。

紙巻きタバコでは2009年からメンソール以外のフレーバー(タバコ自体のフレーバーを除く)の使用が禁じられており、メンソールが紙巻きたばこに使用可能な最後のフレーバーとなっていた。メンソールはタバコ製品の不快な匂いやきつさを抑え、タバコを始めやすくする。さらにメンソールはニコチンの効果を高めるため、禁煙が難しくなる。

メンソールタバコの主なターゲットはアフリカ系アメリカ人であり、タバコ使用による影響の大きな偏りの原因となっている。ある研究では米国でメンソールタバコを禁止すれば、最初の13か月~17か月のうちにアフリカ系アメリカ人230,000人を含む923,000人がタバコをやめると示唆しているという。また別の研究では、メンソールタバコ禁止によりアフリカ系アメリカ人237,317人を含む633,252人の死を防ぐことができると試算している。

FDAはこれらの変更を盛り込んだタバコ製品の新基準を提案しており、議会で承認されれば来年中に適用開始する見通しだ。ただし、新基準が適用されるのはメーカーや流通、卸売業者、輸入業者、小売業者にとどまり、個人の消費者が所持することや使用することを禁じることはできない。そのため、FDAは違法なタバコ製品が米市場に流入しないよう取り組んでいくとのことだ。

すべて読む

| サイエンスセクション

| サイエンス

| 医療

| アメリカ合衆国
|
この記事をTwitterでつぶやく
この記事をFacebookで共有
この記事をGoogle Plusで共有
このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ストーリー:

米FDA、IQOSをリスク低減型タバコ製品として認可
2020年07月15日

米食品医薬品局、子供が好むフレーバーを添加した電子タバコ製品の取り締まり開始へ
2020年01月08日

米国でタバコ製品購入可能年齢を21歳に引き上げる法案が可決
2019年12月21日

カナダの17歳、リキッド加熱式電子タバコの使用が原因の閉塞性細気管支炎とみられる初の症例
2019年11月28日

インド、電子タバコを全面禁止
2019年09月21日

米疾病予防センターが電子タバコ使用に関連する可能性のある肺疾患の症例カウント方法を変更、症例は70件減少
2019年09月16日

電子タバコの添加物が炎症や肺機能低下を増大させる可能性
2018年10月14日

米食品医薬品局、ニコチン依存症が起こらないレベルまで紙巻きタバコのニコチン含有量を減らす計画
2017年07月30日

米FDA、タバコ包装に表示される強烈な警告表示図案を発表
2010年11月11日

Source: スラッシュドット