東日本大震災時の東京電力福島第1原発事故で、当時避難した福島県民らが国と東電に損害賠償を求めた訴訟の上告審の判決が17日に言い渡された。最高裁の菅野博之裁判長は、「実際の津波は想定より規模が大きく、仮に国が東京電力に必要な措置を命じていたとしても事故は避けられなかった可能性が高い」として、国の賠償責任を認めないとする判断をした(NHK、毎日新聞、日経新聞)。
原発事故における国の責任について最高裁が統一的な判断を示すのはこれが初めて。今回の判断は4件の訴訟に関する上告審判決で、現在は今回のものを含む同種訴訟は約30件(原告総数1万2000人以上)起きている。今回の最高裁の判断は今後の同様の訴訟に影響するとみられている。
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Source: スラッシュドット