北海道の知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故で、現場の海底から引き上げられた観光船が24日午前、北海道斜里町沖で再び落下する事故が起きている。海中につられた状態のまま作業船で運ばれていたところ、固定していたロープが切断してしまい落下したことが判明している。再落下後は船体が、最初の落下時の水深およそ120メートルよりも深い182メートルの海底に落下してしまったという。海上保安庁関係者は、潮流などで2本のベルトに過重な負担がかかって切断され、船体が落下した可能性があるとして調査しているとのこと(読売新聞、TBS NEWS DIG、北海道新聞、NHK)。
サルベージ会社は観光船の船体を再びつり上げるため、25日8時半すぎから水中ロボットを利用して再引き上げに挑戦している。先の引き上げでは5本のベルトのうち2本が切れていたことから、今度はより耐久性のある太いベルトに交換して作業をおこなっているという。26日にも船体を海面まで再びつり上げる方針(NHK)。
なお観光船を運航していた企業「知床遊覧船」に対し国土交通省は24日、行政処分に向けた手続きに入ったと発表した。事故後の特別監査で、海上運送法に基づく「安全管理規定違反」だけで17件が確認されているという(毎日新聞)。さらにこの観光船は元々は広島県の三原市と尾道市生口島を約30分で結ぶ定期高速船として使われていたものだったことも報じられている。元の持ち主は外海で使われていたことに驚いていた模様(読売新聞)。
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Source: スラッシュドット