米疾病予防センター (CDC) の最新の調査結果によると、米国の未成年者 (0 — 17 歳) のおよそ 75 % で SARS-CoV-2 (COVID-19 の原因となる新型コロナウイルス) 感染歴が血清学的に確認されたそうだ(CDC の週次報告書 MMWR、
Ars Technica の記事)。
この数字は 2 月時点のもので、採取した血清サンプルの抗ヌクレオカプシド (N) 抗体を検査して陽性率 (血清有病率) を調べている。抗 N 抗体は SARS-CoV-2 感染により作られるが、現在米食品医薬品局 (FDA) が緊急使用許可または認可しているワクチンの接種では作られない。
未成年者の血清有病率およそ 75 % のうち、3 分の 1 は SARS-CoV-2 オミクロン株 (B.1.1.529) が優勢となった昨年 12 月以降の新規感染によるものだ。12 月から 2 月の間に血清有病率の増加幅が最も大きかったのはワクチン接種率の低い 0 — 11 歳で、44.2 % → 75.2 % と増加、12 — 17 歳が 45.6 % → 74.2 % で続く。成人では 18 — 49 歳が 36.5 % → 63.7 %、50 — 64 歳が 28.8 % → 49.8 %、65 歳以上が 19.1 % → 33.2 % のように増加した。成人の方が増加幅は小さいものの、増加率は高く、18 — 49 歳が最も高い。全体では 33.5 % から 57.7 % に増加している。
ただし、これらの結果は 1) 便宜的抽出による一般化可能性の制限や、2) 人種や民族に関するデータの欠如により重み付けできないこと、3) すべてのサンプルが臨床検査で採取されたことによる医療機関をよく利用する人への偏り、4) ワクチン接種後の感染では抗 N 抗体の力価が低下するうえ、抗 N 抗体による血清有病率では再感染を確認できないため累積感染者数が低く見積もられる、といった 4 つの制約があるとのこと。
これらの結果はオミクロン株の高い感染率、特に子供の感染率の高さを示す好例となる。血清の抗 N 抗体が陽性であっても将来の感染を防ぐことにはつながらず、ワクチン接種が SARS-CoV-2 感染による合併症を防ぐ最も良い方法であることに変わりない。ブースター接種によりワクチン接種状態を維持することは、感染歴のある人を含めて接種可能なすべての人に推奨されるとのことだ。
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Source: スラッシュドット