ガジェット

Consumer Reports、Tesla車のAutopilotを有効にしたままドライバーが運転席から助手席へ移動できることを確認

Consumer Reports(CR)は22日、Tesla Model YのAutopilotを有効にしたままドライバーが運転席から助手席へ移動する実験の結果を公開した(Consumer Reportsの記事
動画)。

CRのテストトラックで実施された実験ではドライバーがシートベルトをバックルに固定した上から運転席に座り、時速24km程度で走行中にAutopilotを有効にしている。この状態でハンドルの速度設定ダイヤルを0にして車両を停止させ、ハンドルにおもりをチェーンでぶら下げる。あとはドライバーが車内から出ずに助手席へ移動し、助手席からダイヤルを操作して速度を上げるとModel Yは再び走り出す。ドライバーは念のためブレーキをいつでも踏めるよう準備しているが、Autopilotは運転席に誰もいないことを検出することなく、車線を維持して約800メートルのトラックを走行し続けたとのこと。

Autopilotはドライバーがハンドルから手を離す、シートベルトを外す、ドアを開けるといった動作で無効化されるが、締めた状態のシートベルトの上に座ったドライバーが横に移動し、ハンドルにおもりをぶら下げることでAutopilot無効化のトリガーを回避している。他社の先進運転支援システムではカメラを使用するなどして運転席にドライバーが座っていることを検知する仕組みが備わっており、同様の動作をさせることは不可能だという。

今回の実験はTesla Model Sに乗っていた2人が死亡した事故で、運転席に人がいない状態でAutopilotが有効になっていたとの報道を受けたものだ。この事故についてイーロン・マスク氏は、回収したログがAutopilotが有効になっていなかったことを示しているだけでなく、同車両ではFSD(完全自動運転)有効にするオプションが購入されていなかったことや、事故の発生した道路ではAutopilot有効化の条件となる車線のペイントがなかったことを指摘している。

なお、2018年には英国でTesla Model S 60のドライバーがAutopilotを有効にして走行中に助手席へ移動し、危険運転行為で有罪判決を受けている。

すべて読む

| ITセクション

| 人工知能

| バグ

| IT

| ロボット

| 交通
|
この記事をTwitterでつぶやく
この記事をFacebookで共有
この記事をGoogle Plusで共有
このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ストーリー:

米テキサス州で運転席無人のテスラModel Sが衝突事故。2人死亡で当局が調査へ
2021年04月21日

Tesla、ソフトウェアアップデートで速度標識認識機能や青信号通知機能を追加
2020年09月01日

米国家運輸安全委員会曰く、Tesla Model Xによる2018年の死亡事故の原因はAutopilotに対する過信と注意散漫、道路安全設備の整備不良
2020年03月01日

Tesla車の有料オプションは車両ではなくオーナーに紐付け? 中古車の購入後、勝手に機能が無効に
2020年02月11日

Tesla、Tesla車で意図しない急加速が発生したという調査請求は虚偽だと反論
2020年01月24日

カメラやセンサーを騙すことでTeslaのAutopilotを混乱させる攻撃
2019年04月05日

米フロリダでTesla車が道路を横切る大型車に衝突する事故が発生、自動運転の安全性が疑われる
2019年03月06日

Teslaの「完全自動運転」機能、実現はまだ先?
2018年10月24日

Tesla、8月にもAutopilotで完全自動運転機能の有効化を始める計画
2018年06月14日

英国でTeslaのAutopilotを有効にして助手席に移動したドライバーが有罪判決を受ける
2018年05月03日

自動運転中のTeslaが消防車に突っ込む事故、運転手には飲酒運転の疑い
2018年01月31日

Source: スラッシュドット