ウクライナがロシアのハッカーからの防衛を行うため「IT軍」を創設している。IT軍は2月24日のロシアによる侵略開始後の26日、ウクライナのフョードロフ副首相が国内外のセキュリティ専門家やハッカーなどに呼びかけてたのがきっかけで組織された。同国ではロシア軍の攻撃前にもサイバー攻撃を受けており、政府機関のウェブサイトの改ざんやマルウエアによる攻撃が多発していた(ZDNet Japan、毎日新聞、GIGAZINE、WSJ)。
ウクライナは東欧のシリコンバレーとも呼ばれ、米国やEU企業によるITアウトソーシング先として人気があり、国内外から多くのIT技術者が集まっていた。このため「IT軍」に参加する人も多いという。また先のフョードロフ副首相の呼びかけに呼応する形でアノニマスも活動しており、以前に取り上げたようなロシア政府サイトなどへの攻撃を行っている。Forbes JAPANの記事によれば、IT軍はロシアのレストランやショップのレビューの書き込みで、ウクライナで何が起こっているかを伝えてほしいなどといった活動を行っているという。しかし、レビューとしては実体験に基づかない投稿であることから削除も相次いでいるとのこと(Forbes JAPAN)。
こうして話題になるウクライナのIT軍ではあるものの、MIT Tech Reviewの記事によれば、実際のハッキング活動の痕跡はほとんど見られなかったという。多くの攻撃に関しては裏付けがないとされるほか、またIT軍が推進しているサイバー攻撃は、欧米基準では犯罪であり、今回のロシア・ウクライナ間の戦争状態は法的な問題や道徳的、地政学的な問題を含んだ難しいものとなっていると指摘している(MIT Tech Review)。
一方で最新の報道ではアノニマスが6日、ロシアの国営放送や映像配信サービスをハッキングしたと発表した。ロシアのストリーミングサービスや国営放送など5か所をハッキング、ウクライナからの映像などを流したとのこと。これに関してはウクライナメディアを始め複数の欧米のメディアでも報じられているという(テレ朝NEWS、中日スポーツ)。
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Source: スラッシュドット