米シーダーズ・サイナイ医療センターで行われたコーホート研究によると、Apple Watch の不規則な心拍の通知機能で心房細動 (AF) が判明した患者の多くは従来の治療が必要ないそうだ
(The Verge の記事、
論文アブストラクト)。
研究は 2015 年 4 月 25 日から 2018 年 11 月 16 日にかけて電子健康記録 (EHR) と Apple Watch をリンクした患者 1,802人 を対象としたものだ。AF 患者は血栓リスクが高くなるため、抗凝固薬による抗凝固療法が重要となる。しかし、1,802 人のうち Apple Watch で AF が判明して抗凝固療法が検討される可能性は 0.25% 程度に過ぎず、EHR データのみを見た場合でも新たに AF と診断された後で抗凝固療法が検討される可能性はおよそ 36% にとどまる。
AF が検出できても治療が必要なければ不安を感じるだけでメリットはない。研究者はこのような結果になった理由として、抗凝固療法は主に年配の患者に行われるもので、他のリスク要素がなければ若い患者に行われないことを挙げている。同センターの Apple Watch ユーザーの多くは後者に該当するとのこと。こういった AF はこれまで研究されていたものとは異なると考えられるとのことだ。
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Source: スラッシュドット