1級河川の濁川の上にかけられた土台、いわゆる暗渠の上に建てられた複数の民家。建てられた経緯は複雑なのだが、昨年5月にそのうちの一軒の床が抜け、住民が救助される事故が発生したという。このため地元から、風が強い日などは倒壊するのではと心配していたなどいった意見も出ていたそうだ(読売新聞)。
これらの民家は現在、所有者が不明で先の事故の起きた1軒以外は無人の状態であったという。河川法は「河川区域の土地を占用するには許可を受けなければならない」と定めているが、この建築物は既存不適格と呼ばれる建物で、旧法・旧規定の基準では合法的な建築物だった。このため、過去の報道では所有者らの同意がないまま立ち退きや取り壊しを強制できない状況になっていた。
しかし先の事故以降、余りに危険な状況だったことから、今年に入って山梨県は河川法に基づく強制撤去に着手した。県は国土交通省に対し、所有者不明の工作物を強制撤去する「簡易代執行」の適用が可能か問い合わせたところ、「不法係留の船などに適用される場合が多く、民家の強制撤去はこれまでにない」としたもののが、法律上は問題ないとの見解を示したという。このため県は今月の2日から工事を開始し、今月末頃までに解体を終える予定だとしている(読売新聞)。
| 日本
| ニュース
| スラッシュバック
| 政治
|
関連ストーリー:
水害リスクの高い地域に建築制限を行う「流域治水関連法案」が閣議決定
2021年02月04日
意匠法改正による意匠登録始まる。画像によるデザインや建物の内装外装デザインも登録可能
2020年11月12日
トヨタ、実証都市「Woven City」を静岡県裾野市に建設する方針を発表
2020年01月08日
国境の壁越しに両側から遊べるシーソー
2019年08月07日
違法建築だったサグラダ・ファミリア、バルセロナ市から建築許可を受ける。罰金は3600万ユーロ
2018年10月23日
Source: スラッシュドット