NASAは17日、火星ヘリコプター Ingenuityの初飛行を日本時間19日16時31分に実施すると発表した(NASA Marsの更新情報、
プレスリリース)。
Ingenuityの初飛行は日本時間12日に計画されていたが、9日に実施したローターの高速回転テストでコマンドシーケンスが早期終了するトラブルが発生して延期された。NASAではフライトシーケンスにいくつかのコマンドを追加する方法と、ソフトウェアを更新する方法の2つの解決法を検討しており、前者の方法で16日にフルスピードの回転テストに成功していた。後者の方法は問題を確実に修正可能だが実行にはやや長い時間を要し、2年近くにわたって安定して変更されていなかったソフトウェアを変更することになる。数日かけて改良版ソフトウェアの確認は完了しているが、転送して読み込ませるにはさらに数日を要する。
前者の方法でフライトモードへ移行して浮上の準備が可能になるのは85%程度だが、失敗してもヘリコプターは安全だ。この方法はすぐにでも実行に移すことができ、繰り返し試行することも可能なことから、月曜日の初飛行ではこちらの方法を採用するとのこと。一方、後者の更新版ソフトウェアは既に親機の火星探査機 Perseveranceに転送済みで、前者の方法がうまくいかない場合のバックアッププランとなる。
初飛行は自律的に実行され、数時間後にデータが地球へ届く。NASA TVなどでのライブストリーミングは日本時間19日19時15分開始予定となっている。
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Source: スラッシュドット