5G C バンドの展開で電波高度計が使えなくなると大騒動した米航空会社だが、一転して大丈夫な雰囲気になっている
(Ars Technica の記事、
CNN の記事)。
連邦通信委員会 (FCC) は 2020 年 2 月に 5G での C バンド使用を承認し、2021 年 2 月に周波数オークションを実施したが、連邦航空局 (FAA) が実際の航空機で使用する電波高度計の動作を検証することはなく、サービス開始を 1 か月後に控えた 11 月 2 日になって C バンドの 5G 信号が電波高度計に干渉する可能性があるとの耐航空性情報 (PDF) を公表。AT&T とVerizon Communications がサービス開始をたびたび延期する事態となった。FAA は 5G C バンドの通信を無効にする緩衝地帯の設置などの対策を発表したが、米航空会社の CEO は連名で 1 月 19 日にサービスが始まれば壊滅的な混乱を招くなどとする書状 (PDF) を運輸長官などに送っていた。
サービス開始直後は実際に一部の便が欠航するなどの混乱を招いたが、FAA は緩衝地帯を設ける空港を拡大し、20 日には米民間機の 78 % が 5G C バンド展開地域の空港で低視界時にも着陸可能になったと発表した。同日アメリカン航空 CEO は投資家に対し、時間がかかったがいい場所にたどり着いたと語り、これ以上の実質的な混乱はないとの考えを示したという。ユナイテッド航空 CEO も完全な解決はまだ先のことだが、確実に解決できると述べたとのこと。
しかし、現在の米民間機は緩衝地帯の設置を前提として 78 % が 5G C バンド展開地域で低視界時に着陸可能なのであって、緩衝地帯なしで安全に着陸できるかどうか確実ではない。当初の発表通りなら、通信会社が合意した緩衝地帯設置期間は 6 か月間となる。
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Source: スラッシュドット