ガジェット

WhatsApp、米政府の命令で中国とマカオのユーザーを追跡していた

WhatsApp が米政府に命じられ、中国とマカオのユーザー計 7 人を追跡していたと Forbes が報じている
(Forbes の記事
South China Morning Post の記事)。

ユーザー追跡の根拠となる法律 1986 Pen Register Act によれば、捜査当局は特定のユーザーについて発信先の記録 (pen register) や着信元の記録 (trap and trace device) を通信会社に命じることができる。記録するのは相手の電話番号や位置情報などに限られ、通信内容は含まれない。追跡するユーザーを識別可能な電話番号などがわかればよく、そのユーザーが誰なのか具体的にわかっている必要もない。今回の 7 人も電話番号のみで追跡が行われた。

今回の追跡は麻薬取締役局 (DEA) が命じたもので、公表された電話番号から違法薬物の取引に関連するものとみられる。ただし、命令に必要なのは申請書を作成した検事または捜査当局担当者の名前と捜査当局の名前、追跡により得られる情報が当局により捜査中の事件に関連するとの証明書のみであり、追跡を行うための相当な理由を判事にも市民にも説明する必要はないとのこと。

Forbes によれば、米捜査当局は過去 2 年間 WhatsApp にユーザー追跡を繰り返し命じているそうだ。今回の件は米当局が国内および隣国のユーザーだけでなく、全世界に追跡対象を広げていることを示すものだという。追跡は合法的なものであるとしても、相当な理由が説明されない点は懸念される。しかし、全米市民自由連合 (ACLU) などによる長年の働きかけにも関わらず議会で問題解決に向けた動きはないとのことだ。

すべて読む

| ITセクション

| 犯罪

| 医療

| IT

| アメリカ合衆国

| 中国

| Facebook

| プライバシ
|
この記事をTwitterでつぶやく
この記事をFacebookで共有
この記事をGoogle Plusで共有
このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ストーリー:

米FCC、華為やZTEなどの通信機器や監視機器を排除する新規則
2021年06月23日

楽天グループ、日米両政府の監視対象になる
2021年04月21日

欧州司法裁判所、EU・米国間のデータ共有協定取り下げを決定。米国企業に影響か
2020年07月20日

実は米政府、20年間も中国国有通信会社を監督してなかった
2020年06月16日

捜査令状なしに履歴データを入手できる法案が米上院通過。大手IT企業が下院での阻止に動く
2020年05月28日

米人権団体、米司法省がFacebook Messengerの暗号解除を求めた裁判の情報開示を求める
2018年12月04日

米国家安全保障局、収集した通話記録を破棄。収集禁止の内容も含まれていた
2018年07月05日

米国家安全保障局、「スノーデン事件」の影響で士気低下や人材流出が顕著に
2016年12月15日

米国では1.2億人の顔写真データベースが警察によって構築されている
2016年10月27日

Source: スラッシュドット