Debian が現在、Web ブラウザーサポートで悲しい状況となっているそうだ (Phoronix の記事)。
Debian に同梱されているブラウザー (Chromium、Firefox ESR、Falkon など) はいずれも、パッケージメインテナーが簡単に修正できないセキュリティ上の問題を抱えているという。Debian の Chromium はいまだにバージョン 90.0.4430.212-1であり、Debian Wiki では Firefox や Brave、ungoogled-chromium などへの移行を検討するよう求めている。
Debian の Firefox ESR はバージョン 78.15.0 (安定版の Debian 11 Bullseye では 78.14.0)で止まっており、91.x ESR ブランチへの移行が遅れている。これは Firefox ESR 91.3 で安定性の問題が報告されたためだ。ESR 91.3 はデフォルトで EGL を使用するよう変更されており、Bullseye の mesa (バージョン 20.3.5) が EGLの要件 (mesa 21.x 以上)を満たさないためではないかとも指摘されていたが、問題は ESR 91.4 で解決済みになっている。
このほか Falkon など Debian に同梱される他のブラウザーも長らくセキュリティパッチが適用されていないとのこと。Phoronix に問題を提起した読者はこの状況の非常に悲しい部分として、非自由なソフトウェアをデフォルトでユーザーから遠ざけるという哲学を持つ Debian が逆に人々を Google Chrome や Opera といったクローズドソースへ向かわせている点を指摘し、Debian プロジェクトにとって厳しい時期であると述べている。
| オープンソース
| Debian
| セキュリティ
| インターネット
| デベロッパー
|
関連ストーリー:
Debian 11、コードネームBullseyeがリリース
2021年08月18日
完全に自由なオペレーティングシステム実現のためには簡単にインストールできない不自由さを我慢するべきか
2021年01月23日
Debian 10「buster」リリース
2019年07月10日
Debian 9.0 “Stretch”、ついにリリース
2017年06月19日
Source: スラッシュドット