オーストラリア連邦科学産業研究機構 (CSIRO) の研究によれば、カリフラワーやブロッコリー、芽キャベツといったアブラナ属の野菜を嫌う人は、その人の口内細菌叢が影響している可能性があるそうだ (論文、 Ars Technica の記事)。
人による食べ物の好き嫌いの違いは化学感覚の違いと考えられており、特定の物質で苦みを感じる遺伝子が知られていることから、これまではこの遺伝子の有無に注目した研究が行われてきた。一方、アブラナ属の植物は S-メチル-L-システイン スルホキシドを含み、これから臭気を発する揮発性硫黄化合物が酵素や細菌により生成される。
研究は 6 歳 ~ 8 歳の子供と保護者 98 組 (計 196 人) を対象とし、臭気物質を快いと感じるか不快と感じるかの評価や、実際に採取した唾液と生のカリフラワー粉末による揮発性硫黄化合物の生成テストなどを行っている。
その結果、揮発性硫黄化合物の生成量が多いほどアブラナ属の野菜を嫌う傾向が確認されたという。アブラナ属の野菜嫌いは子供の方に多いが、揮発性硫黄化合物の生成量に年齢階層別の違いは見られず、大人の方が味覚の許容範囲が広がったためとみられる。また、口内細菌叢は家族内で共通性があるとみられ、揮発性硫黄化合物の生成量も似通った傾向があったとのことだ。
個人的にはアブラナ属の野菜は大体普通に食べているが、芽キャベツを靴下のような匂いだと表現する人もいる。スラドの皆さんはいかがだろう。アブラナ属に限らず、この野菜はどうしても食べられないというものはあるだろうか。
| バイオテック
| サイエンス
|
関連ストーリー:
パクチー嫌いかどうか調べられるDNA検査サービス
2018年07月03日
日清、世界初というカップ焼きそば用キャベツ落としデバイス「キャベバンバン」を発表
2018年05月21日
子供に野菜を食べさせるには?
2015年10月06日
子供向け辞典から削られた動植物名などの復活を求め、作家など28名がオックスフォード大出版局に公開書簡
2015年01月18日
北海道で絶滅危惧種のキノコ見つかる
2014年12月12日
IBM、5年後のコンピュータは「匂い」「味」を判別できる?
2012年12月21日
匂いのホワイトノイズ
2012年11月25日
ブロッコリーが債務超過状態に
2005年10月21日
家族の体臭は他人のよりも臭い
2002年08月25日
Source: スラッシュドット