ガジェット

米連邦地裁、Cloudflare が著作権侵害サイトにサービスを提供しただけでは侵害に重大な貢献をしたとはみなされないと判断

headless 曰く、

米カリフォルニア北部地区連邦地裁の Vince Chhabria 判事は 6 日、Cloudflare が著作権侵害サイトにサービスを提供しても著作権侵害に重大な貢献をしたとはみなされないとの判断を示した (裁判所文書: PDFTorrentFreak の記事Ars Technica の記事)。

この裁判はよくある著作権侵害裁判ではなく、ウェディングドレスの製造会社と販売会社が Cloudflare を訴えているものだ。侵害サイトは原告のウェディングドレス写真を掲載して注文を受け、偽物を販売して原告に損害を与えていた。

原告は侵害サイトの閉鎖に成功するものの、そのたびに新しい侵害サイトが立ち上がるという状況だったという。多くの侵害サイトが Cloudflare の CDN サービスやセキュリティサービスを利用していたことから、原告は Cloudflare が著作権侵害に重大な貢献をしていたと主張する。

著作権侵害への貢献に対する責任を問うには、著作権侵害の事実を知っており、かつ貢献度が大きいか、侵害を誘発したことを示す必要がある。しかし、単純にサービスを提供していただけで大きな貢献とはみなされず、侵害サイトへのアクセスを大幅に増加させたり、侵害の欠かせないステップであったりすることが要件となる。

しかし、原告側は CDN サービスによるパフォーマンス向上が侵害を促進したとの証拠を示しておらず、CDN サービスを使用しなくても侵害サイトへのアクセスは可能であることから欠かせないステップともみなされない。また、侵害サイトにアクセスするユーザーから見て Cloudflare のセキュリティサービス使用の有無による違いはなく、侵害サイトの問題を Web ホストへ訴えるのが困難になるということもない。

そのため、判事は Cloudflare 側に責任を問われるような著作権侵害への重大な貢献はなかったと判断。原告側の略式判決請求を却下し、被告側の略式判決請求を認めた。

すべて読む

| ITセクション

| ビジネス

| YRO

| 法廷

| 著作権

| インターネット
|
この記事をTwitterでつぶやく
この記事をFacebookで共有
この記事をGoogle Plusで共有
このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ストーリー:

CAPTCHAの問題を解くために人類は毎日500年分の時間を無駄にしている
2021年07月30日

ロシア下院、ネットサービスを提供する国外企業に国内事務所設置を義務付ける法律草案を可決
2021年06月23日

Sony Music、パブリック DNS リゾルバー Quad9 に対する海賊版サイトのブロック命令を勝ち取る
2021年06月22日

監視カメラサービスがハッキングを受ける。企業や病院、警察、刑務所など15万台以上の映像が流出
2021年03月12日

Cloudflare、海賊版漫画サイトとおーぷん2ちゃんねるへのサービス提供を一時停止
2021年02月12日

GoogleのreCAPTCHAの対抗馬「hCaptcha」、外的要因もあって市場シェア15%に
2020年11月30日

知的財産侵害市場に関する米通商代表部の意見募集が米国外市場に限定されなくなったことにFacebookなどが反論
2020年11月29日

米連邦控訴裁判所、顧客サイトの著作権侵害に対するホスティングプロバイダーの責任は削除要請の転送で十分果たされると判断
2020年07月25日

Source: スラッシュドット