Panasonic はゲーミングネックスピーカーシステム SoundSlayer Wearable Immersive Gaming Speaker System (WIGSS) SC-GN01 を 8 月 25 日に Gamescom 2021 で発表したのだが、ロイヤリティーフリー素材を極度に加工した宣伝用写真の存在が The Verge に指摘され、画像配布フォルダーから削除したそうだ(The Verge の記事)。
国内で 27 日に発表されたワイヤレスネックスピーカー SC-WN10 が Bluetooth 接続なのに対し、SC-GN01 は有線接続。スクウェア・エニックスと共同開発したという 3 つのゲーミングモード (RPG・FPS・ボイス) のほかオーディオモードやシネマモードに対応し、4 チャンネルのフルレンジスピーカーと高性能シグナルプロセッサーによる True MAGESS (Majestic Augmented Gaming Environment Sound System) でリアルなサラウンドを実現するという。
宣伝写真の一つは Shutterstock で提供されている「Nerdy gamer with controller」を加工したもの。ゲームコントローラーを持つ人物の肩にスピーカーと音波のイメージが追加され、ゲームコントローラーのライトバーが消されているが、元の素材と大きな違いはない。
一方、もう一つの宣伝写真の IPTC 情報をみると Getty Images で提供されている「Young African American man eating pizza, drinking beer and playing video games」(ピザを食べ、ビールを飲みながらビデオゲームをプレイする若いアフリカ系アメリカ人) となっているが、写真では白人男性が肩にスピーカーを乗せてゲームをプレイしている。写真を見比べると、元の素材から人物のみを残して顔を差し替え、肌の色を調整してシャツの色とゲームコントローラーの色を変えたものであるようだ。
ロイヤリティーフリー素材の購入者は権利者と交渉することなく自由に加工して使用できる。Shutterstock の使用許諾契約書では写真のモデルに対し「一般人が社会通念において不快に感じるような形で描写すること」を禁じているが、Getty Images のライセンス契約にはエディトリアルコンテンツ以外の加工を制限する条項は存在しない。そのため、今回のような利用方法も問題ないと思われるが、The Verge の問い合わせを受けた Panasonic では人物を含むすべての宣伝写真を画像配布フォルダーから削除し、調査を行っていると述べたとのことだ。
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Source: スラッシュドット