スコットランドのエディンバラ大学、ドイツのバイロイト大学、スウェーデンのリンショーピン大学の研究者らによるチームは13日、超硬質素材である窒化炭素の合成に初めて成功したと発表した。窒化炭素は30年以上前にその特性が予測されていたが、合成することは非常に難しいとされてきた。しかし、今回の研究チームは、地球の内部数千キロメートルの深さを模した環境で窒化炭素を合成することに成功した(エディンバラ大学、テクノエッジ)。
超高圧をかけた環境で窒化炭素を形成、その結果、超硬質物質に必要な特性を持つ3種類の化合物(tI14-C3N4、hP126-C3N4、tI24-CN2)が生成されたことが確認された。これらの化合物は超硬物質に必要な正四面体構造をもつことが確認され、常温・常圧の状態でもダイヤモンドに近い性質を保っているという。またフォトルミネッセンス特性や圧電性特性など、高いエネルギー密度を持つことも発見されたという。
この窒化炭素は、将来的には自動車や宇宙船の保護コーティング、切削工具、ソーラーパネル、光検出器などの産業目的で使用される多機能材料として期待されている。
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Source: スラッシュドット