ガジェット

米 FDA、パッケージに「ヘルシー」と表示可能な食品の新基準案を発表

米食品医薬品局 (FDA) は 9 月 28 日、食品パッケージで栄養価を主張する「ヘルシー (healthy)」という用語について、表示の可否に関する新基準案を発表し、意見募集を開始した
(ニュースリリース
FDA の解説記事

Ars Technica の記事
動画)。

現行の「ヘルシー」の定義は1994年に制定されたもので、当時の栄養学と米食生活指針に基づいており、飽和脂肪・総脂質・コレステロール・ナトリウムなどの最大値や、ビタミン・ミネラル・食物繊維・タンパク質などの最小値が定められている。その結果、現在の食生活指針で推奨されているナッツ類やサーモン、アボカド、オリーブ油などの脂肪を多く含む食品には「ヘルシー」と表示できない。

このような定義の問題点は 2015 年、パッケージに「ヘルシー」と表示したナッツバーのメーカーに FDA が警告状を送ったことから注目を浴びることになる。米国では 2016 年に栄養表示基準が改定されており、FDA は「ヘルシー」の表示基準に関する意見募集や公聴会の開催を行っていた。その成果はこれまで具体化されていなかったが、ホワイトハウスが飢餓と栄養摂取、健康に関する国家戦略を発表するのに合わせて新基準案が発表されたようだ。

FDA の新基準案で「ヘルシー」と表示するには果物や野菜、穀類、タンパク質、乳製品などの食品グループの食品を一定量以上含む必要があり、過剰な飽和脂肪・ナトリウムを含む食品や過剰に加糖された食品は除外される。これにより、ナッツ類やサーモン、アボカド、オリーブ油などにも「ヘルシー」と表示することが可能となり、基準値を超えて加糖されたシリアルやヨーグルトでは表示できなくなる。また、これまで「ヘルシー」と表示できなかった飲料水 (炭酸入りを含む) でも表示可能になるとのこと。意見募集は 12 月 28 日まで。

すべて読む

| サイエンスセクション

| スラッシュバック

| サイエンス

| 医療

| アメリカ合衆国

| 政府
|
この記事をTwitterでつぶやく
この記事をFacebookで共有
この記事をGoogle Plusで共有
このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ストーリー:

太っていたら十分な運動をしてもやっぱり不健康という研究結果
2021年01月26日

米バークレー市議会、レジ前のジャンクフード陳列を禁ずる条例案を可決
2020年09月26日

「高度に加工された食品」である代替肉は健康に良いのか
2019年09月02日

肥満でも他のメタボリックリスクがなければ早期死亡リスクは大きく上昇しないとの研究結果
2018年07月14日

米調査、職場で無料提供される飲食物が不健康な食生活の原因になるとの結果
2018年06月16日

ダークチョコレートの健康増進効果が広く信じられるようになったのは、チョコレート産業が学術研究に資金を投入し続けた成果?
2017年10月22日

「ヘルシー」な食品ってどんなもの?
2017年02月19日

「健康な食事」表示制度、「米の消費が落ち込みかねない」として見直しへ
2015年03月24日

WHO、糖類の摂取量に関する新ガイドラインを発表
2015年03月07日

米政府、健康への影響が懸念される栄養素からコレステロールを除外する見通し
2015年02月14日

「タンパク質の風味」がする加工食品、肥満の原因として指摘される
2014年04月30日

Source: スラッシュドット