米カリフォルニア北部地区連邦地裁の Yvonne Gonzalez Rogers 判事は 9 日、App Store Reveiw ガイドラインにおける誘導禁止条項への恒久的差止命令に対する Apple の一時停止の申立を却下した (裁判所文書、 The Next Web の記事、 Ars Technica の記事、 The Verge の記事)。
差止命令は Epic Games が Apple を不当な独占行為で訴えている裁判で、Epic 側の主張 10 カウントのうち判事が唯一認めた 1 カウントに関するものだ。
具体的にはアプリ内課金で Apple のアプリ内購入 (IAP) システム以外の支払い方法へ誘導するボタン等のアプリへの配置を禁じた 3.1.1 と、アプリ内でユーザーが提供した連絡先を使用して IAP 以外の購入方法利用を呼び掛けることを禁じた 3.1.3 がカリフォルニア州の不正競争防止法 (UCL) に違反するとして差止が命じられている。Apple はこの 1 カウントに関して控訴しており、控訴裁判所の判断が出るまで差止命令を一時停止するよう申し立てていた。
判事は Apple の申立について、判決文の都合の良い部分だけを拾い読みしたものであり、誘導禁止条項が反競争行為の大本であると判断した判決の趣旨を無視していると批判。一時停止の申立が認められるには (i) 申立人が本案で成功する可能性が非常に高いと示すこと (ii) 一時停止が行われなければ申立人が回復不可能な損害を被ること (iii) 申立人の被る損害が一時停止により相手方の被る損害を上回ること (iv) 公共の利益にかなうこと、が必要となる。
しかし、判事は Apple の申立が 4 項目いずれも満たさないと判断。一時停止の申立を却下したほか、差止命令が発効する 12 月 9 日まで 30 日間の余裕があることから、命令に従うための追加の猶予期間としてApple が請求していた 10 日間の仮停止も却下した。一方、Apple は控訴裁判所で一時停止の申立を行うと The Verge に語ったとのことだ。
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Source: スラッシュドット