米国のジョシュ・ホーリー上院議員は 10 日、著作権保護期間を最長 56 年間とする「Copyright Clause Restoration Act of 2022」法案の提出を発表した
(プレスリリース、
TorrentFreak の記事、
The Verge の記事、
法案: PDF)。
法案は米 1909 年著作権法の著作権保護期間 (28 年 + 延長 28 年) を復活させるもので、施行後に発生する著作物に適用されるほか、大手エンターテインメント企業の保有する著作物には遡及的に適用される。具体的には北米産業分類システム (NAICS) コード71 (芸術・エンターテインメント・リクリエーション) またはコード 5121 (映画とビデオ) に区分される産業、もしくはこれらのコードに区分される活動を相当量行う、市場価値 1,500 億ドル以上を保有する者が遡及的適用の対象となる。
消費者保護の観点に立った法案も多いホーリー氏だが、今回のプレスリリースでは特別な著作権保護の特権により多額の収入を得る一方で活動家への迎合を強めているなどとディズニーを批判し、共和党が大企業をもうけさせる時代は終わったなどと述べている。ディズニーの特権を奪ってクリエイティビティとイノベーションの新しい時代を開く時だとも述べているが、共和党が少数派の上院で可決する可能性は低く、フロリダ州のいわゆる「Don’t Say Gay」法案に反対したディズニーへ政治的圧力をかけるための法案とみられている。
また、米国が加盟するベルヌ条約では個人の著作物について、少なくとも著作者の死後 50 年間は保護期間とするよう定めている。今回の法案では著作者が創作後 6 年以上経過して死去した場合の保護期間が死後 50 年未満となり、ベルヌ条約に抵触することにもなる。
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