headless 曰く、
アジアから導入されたコイ科の侵略的外来種が五大湖に流入することを阻むため、米陸軍工兵隊がバリアの構築計画を進めているそうだ
(Ars Technica の記事)。「Asian Carp」と呼ばれるコイ科の侵略的外来種のうち、ここで問題になっているのはコクレン・ハクレン・ソウギョ・アオウオの 4 種。米国への正確な導入時期は不明だが、おそらく 1960 年代初めにスポーツフィッシング用として導入され、後にミシシッピデルタのナマズ養殖場で水草の除草用として本格的に導入されたとみられる。当時は米国の環境で繁殖できないと考えられていたが、増水で養殖場から流れ出た個体がミシシッピ川で繁殖を始め、水草を根元から食べるなど川の環境を破壊することとなった。
五大湖流入は大陸分水嶺が阻んでいる。シカゴ衛生・船舶運河を通れば分水嶺を超えることができるが、かつて運河を流れる水は汚染がひどく、魚が生きることはできなかった。しかし、1972 年に水質浄化法が成立してから浄化が進み、最近では汚染に強い魚が見られるようになってきているという。当初 7 億 7,800 万ドルだったバリア構築プロジェクトの規模は 12 億ドルまで膨らんでいるが、五大湖流入を許してしまえば大きな被害が予想される。
バリアは電気パルスで魚を忌避させる仕組みであり、停電や故障の可能性もある。そのため、他の対策を組み合わせることが肝要となる。中でも最も際立っているのは実際に魚を捕まえて食べてしまうというものだ。昨年イリノイ州天然資源局では Asian Carp を「Copi」とリブランドし、積極的なプロモーションを実施している。
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Source: スラッシュドット