米カリフォルニア州の住民投票で 2018 年に可決したプロポジション 12 により、州内での豚肉価格が高騰してレストランなどが危機的な状況になっているそうだ
(FOODBEAST の記事、
Los Angeles Times の記事)。
プロポジション 12 は家畜を狭い場所に閉じ込めて飼育することを禁ずるもので、州内で飼育される家畜にとどまらず、州内で肉として販売される家畜にも適用される。豚肉価格高騰の原因となったのは繁殖豚が立ち上がって足を伸ばすことのできる飼育スペースとして最低 24 平方フィートの広さを義務付ける規定だ。この広さはブタの体がぎりぎり収まる通常の分娩用金属枠 (2 フィート × 7 フィート) と比べて大幅に広い。米国内で生産される豚肉の 15% を消費するカリフォルニア州を失わないため州外の生産地でも規定に従うことになるとの見解がある一方、価格の上昇も予想されていた。
この規定は 7 月 1 日発効予定だったが、プロポジション 12 は合衆国憲法第 1 条の州際通商条項を根拠とした「眠れる通商条項」に違反すると主張し、州内の小売業や外食産業の業界団体などが州を提訴。サクラメント郡の州上位裁判所は訴えを認めて 1 月 1 日までの延期を命じた
(PDF)。州の農業食糧省 (CDFA) はこれに合意したものの、12 月 31 日まで販売可能な非準拠の豚肉は 7 月 1 日までにサプライチェーンへ入った分のみとし、7 月 1 日以降の収穫分はプロポジション 12 への準拠を必須とした。
その結果、卸売業者は半年分の豚肉を 7 月 1 日までに仕入れる必要がある一方、豚生産者が年末まで販売可能な非準拠の在庫を維持しつつ農場で必要な更新を行おうとしたため、豚肉価格の急騰につながった。レストランが仕入れる豚肉の価格はこの数週間で倍近く値上がりしたとのことだ。
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Source: スラッシュドット