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欧州天然ガスの深刻化は次の冬。それでもドイツ・EUは長期契約に後ろ向き

欧州エネルギー危機が深刻化しているが、この冬の欧州の天然ガス状況は最悪の状況は回避できるとする一方で、来年の冬は今年以上に深刻になる可能性が指摘されている。シンガポール系の世界的資源商社トラフィギュラのベン・ラッコック氏によると、この冬は天然ガスの産業需要が25から35%節減されること、在庫が十分あること、液化天然ガス(LNG)の流入も期待できるとしている(ロイター日経新聞)。

しかし、その次の冬にはロシアの欧州向け天然ガスが途絶する可能性から、在庫も大きく目減りし、天然ガスを大量に追加補充する必要が生じる。LNGの再ガス化を進める大規模なインフラ構築も間に合わないだろうと指摘している。また日経新聞の記事によれば、この冬が厳冬になれば、欧州のガス貯蔵施設は23年3月までに底を突くという。

それでもドイツ、EUが長期契約に後ろ向きとされる。(ロシアの件の反省もあり)特定の供給国が強い立場に立ち得るような長期供給契約の締結は避けるべきだと判断したことや気候変動対策上も望ましくないと考えである模様。一方イタリアでは、パスタを茹でるときのガス節約方法で揉めていたようだ(Business Insider Japan)。

あるAnonymous Coward 曰く、

まあ今焦っても足元見られるだけだし。

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Source: スラッシュドット