ガジェット

月や火星の地下探査におけるネットワーク構築、「ヘンゼルとグレーテル」のパンくず技を取り入れるべきとの提案

月や火星の地下探査に向け、「ヘンゼルとグレーテル」のパンくず技を取り入れたネットワーク構築をアリゾナ大学の研究チームが提案している
(論文アブストラクト
アリゾナ大学のニュース記事
The Register の記事)。

惑星探査でメッシュネットワークを構築するアイディアは新しいものではないが、従来のアイディアは事前の計画に従って通信ノードを配置していくものだ。一方、研究チームの特許も出願中だという「Breadcrumb-Style Dynamically Deployed Communication Network」(DDCN)では、ヘンゼルとグレーテルが帰り道を見失わないようパンくずを落としていったのと同様、探査機が必要に応じて自律的にノードを配置していくのだという。

具体的には前のノードから離れて信号が弱くなってきた場合、新しいノードを配置し、通信が確立されるまでその場で待機するといった処理になる。これにより、地下の溶岩洞や地底湖を調査する探査機と地上の探査機との間を長距離で、かつ堅固に結ぶことができるとのこと。

候補となる溶岩洞は月や火星で特定されており、地上の厳しい環境から生命を保護できる可能性から深く長い溶岩洞は宇宙生物学における重要性があるほか、将来の宇宙飛行士が滞在する居住地の建設地としても重要だ。研究チームでは DDCN のコンセプトを 2019 年に NASA に提案しているとのことだ。

すべて読む

| サイエンスセクション

| 書籍

| 通信

| ネットワーク

| 火星

| サイエンス

|
|
この記事をTwitterでつぶやく
この記事をFacebookで共有
この記事をGoogle Plusで共有
このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ストーリー:

火星着陸機 InSight、ミッション終了
2022年12月25日

NASA と ESA の火星サンプルリターン計画、地球到着は 2033 年
2022年07月31日

中国の火星探査車 祝融、予定ミッションを完了して延長ミッションへ
2021年08月25日

NASAの火星ヘリコプターIngenuity、飛行デモは次の段階へ
2021年05月04日

NASAの火星ヘリコプター、地球以外の惑星で史上初の動力飛行に成功
2021年04月20日

NASA、火星でのヘリコプター飛行実験計画を発表
2021年03月28日

NASA、火星探査機InSightの地熱測定装置プローブ打ち込みを打ち切る
2021年01月16日

海中で通信を行える水中光無線通信、20Mbpsでの通信に成功
2017年11月02日

火星旅行を想定した「宇宙スパコン」の実験をISSで開始
2017年09月16日

英国人の56%、地球外に移住するなら月がいい
2016年11月26日

8月22日にソユーズ・ロケットで打ち上げられたガリレオ衛星、予定軌道に乗らず
2014年08月27日

NASAが地上と月探査機との間でレーザー通信による622Mbpsの通信に成功
2013年10月28日

NASA の惑星間インターネットを実現するDTN
2012年11月15日

コンステレーション計画中止により日の目を見ないかもしれない技術たち
2010年02月04日

火星旅行にはプラズマ防壁を
2006年07月19日

Source: スラッシュドット