ウェブメディア「よみタイ」で掲載していた菊池真理子さんの漫画「『神様』のいる家で育ちました」は、運営会社の集英社により3月17日に連載終了が発表されている。同作品は親が信仰を持つ家庭に生まれ育った「宗教2世」の苦悩をテーマにしたもの。最新の第5話が2月1日に突然削除、2月10日には別の宗教団体の2世が主人公である第1話から第4話も削除されるといった経緯をたどっている。集英社側は事実確認等が十分ではない箇所があった、特定の宗教や団体の信者やその信仰心を傷つけるものになっていたと発表していた。ネット上ではモデルとなった宗教団体からの圧力があったのではないかとの声も出ていた(よみタイリリース、共同通信、ねとらぼ)。
続報として4月に原作者である菊池真理子さん側の見解がSmartFLASH記事上に掲載されている。同氏は当初は祭壇や施設の描き方といった事実誤認の部分を修正して再開する予定だったが、結果、第5話だけでなく第1話から第4話まですべて、信者を傷つける可能性があるとして連載中止の判断が行われたという。同氏は作品はあくまで個人の人生を描いたものであったのに対し、宗教団体に過度に配慮するのはおかしいとする意見を述べている(SmartFLASH)。
なおネットでは圧力をかけた団体が幸福の科学とする見解が強かった。やや日刊カルト新聞の記事によれば、削除の理由は同団体からの抗議によるものであったことが判明したという。記事によると5話掲載から2日後の28日に集英社に対し、同教団広報局から電話での抗議と「事実に反する」「宗教感情を傷つける」箇所の削除を求める抗議文が送付されたとしている。ただし、この抗議文では作品全体の削除は求めていないとのこと。集英社の追加リリースでもそう取れるようになっているが、結果としては作品の完全削除は集英社側の判断によるものであった模様(やや日刊カルト新聞)。
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Source: スラッシュドット