ロシア・ウクライナ間の戦闘は現在も休むことなく続いている。タレコミにあるようなウクライナ側からのロシア側の燃料貯蔵施設設への攻撃や、反対にロシア側が1日に再びウクライナ東部や中部の各地に新たなミサイル攻撃などがおこなわれていることも報じられている。1日の攻撃では、ロシア軍はウクライナ軍や住宅地域に向けて27回の空爆をしたほか、多連装ロケットシステムから45発を撃ったと報じられている。なおタレコミにある燃料貯蔵施設設への攻撃は、ウクライナ軍の報道官が反転攻勢の準備の一環であったことを認めている(CNN、TBS NEWS DIG)。
あるAnonymous Coward 曰く、
ロシアの占領下にあるクリミヤ半島の軍港セヴァストポリの石油タンクが、ウクライナ軍のドローン攻撃で大炎上している。セヴァストポリはソ連の黒海艦隊の母港で、ソ連崩壊後はウクライナ海軍の司令部と、協定によりロシア黒海艦隊の母港となった。2014年のクリミア併合後もロシア黒海艦隊の母港のままとなっている。
2023年4月27日にウクライナのゼレンスキー大統領が、南部ミコライウ州が夜間にロシアの黒海艦隊の攻撃を受け、ビルや住宅などが破壊され市民1人が死亡し、23人がけがをしたと発表した。この攻撃に対するウクライナ軍の反撃で、ロシア黒海艦隊の活動を鈍らせるための攻撃かもしれない。
日本と違い産油国のロシアの石油タンクを破壊しても効果は薄いと思うかもしれないが、そうでもないかもしれない。太平洋戦争開戦時の真珠湾攻撃(1941年12月8日)で、日本海軍はハワイの石油タンクを見逃したことがあった。アメリカ海軍のニミッツ提督は回顧録で「真珠湾の石油タンクを破壊されていたら、アメリカ艦隊は半年は動けなかった」と語っている。
当時世界最大の産油国であったアメリカですら、そのような状況であり、真珠湾の石油タンクを破壊できていたら、ミッドウェイ海戦(1942年6月5日)の敗北もなかったかもしれない。
一説には日本海軍の石油タンクは攻撃に備えて地中式タンクとなっており、アメリカの石油タンクもそうであろうから、攻撃しても無駄、と考えていたという話がある。地中式石油タンクの現状と将来の展望によると、1991年の時点で石油類の地中式タンクによる貯蔵は旧海軍の実施によるものが200基近くもあり矩形タンクではあるが最大10万klにも及ぶ大型タンクが建造されている、とのこと。
今回のドローン攻撃でセヴァストポリの石油タンクは派手に燃えていることから、燃料不足でロシア黒海艦隊の活動は低調になっていくかもしれない。
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Source: スラッシュドット