マツダがオープンソースのホームオートメーションソフトウェア Home Assistant が使用するオープンソースのAPIクライアントについて GitHub に DMCA 通知を送り、マツダ車へのアクセス機能を削除させたそうだ
(Home Assistant のブログ記事、
Ars Technica の記事、
GitHub のプルリクエスト)。
この API クライアントは Python および JavaScript で書かれており、マツダが Android / iOS 向けに公開している MyMazda アプリが使用する MyMazda (Mazda Connected Service) API を通じたマツダ車の各種情報へのアクセスを可能にするものだ。マツダは API クライアントのコードがプロプライエタリな API 情報を含む同社の特定の情報を利用して書かれたものであり、MyMazda アプリと同じ機能を提供するため著作権侵害だと主張している。
米連邦最高裁では Oracle 対 Google の裁判で API が著作権保護の対象になるかどうかの判断を示さなかったものの、API が著作権保護されると仮定してもその保護は弱く、使用はフェアユースにあたるとの判断を示している。そのため、裁判になればフェアユースが認められる可能性も高いが、API クライアント開発者の Brandon Rothweiler (brd99) 氏は余暇に開発しているソフトウェアのための裁判で財政的リスクを負うことはできないとして、MyMazda API 統合の削除を決めたとのこと。
Home Assistant はブログ記事でマツダの動きに落胆したと述べ、最近 Tesla が公式 API のドキュメントを公開したことや、Volkswagen Group が Home Assistant をフィーチャーするアプリストアを公開したことに触れてオーナーが自分の車のデータを活用できるようになる利点が大きいと指摘。この点でマツダが Home Assistant と合意できる部分もあるはずだとして、対話を呼び掛けている。
| オープンソース
| YRO
| プログラミング
| 著作権
| デベロッパー
| 交通
|
関連ストーリー:
iFixit、米マクドナルドのアイスクリームマシンをDMCA迂回禁止条項の免除対象にするよう求める
2023年09月02日
GitHub で公開された Twitter のソースコード、DMCA要請により削除
2023年03月30日
GitHub、2022年のDMCA削除要請は前年から27%増加、削除件数は32%増の25,387件
2023年02月22日
The Pirate Bayプロキシサイトリスト運営者、GitHubからの削除にDMCA反論通知
2023年01月24日
EFF、DMCA 迂回禁止条項が違憲だと主張する裁判で控訴
2022年01月18日
オンラインゲームのチートツール作者、DMCA 削除要請でクラック版チートツールを削除させる
2022年01月10日
米著作権局の DMCA 迂回禁止条項免除対象見直し、修理や診断のためのソフトウェア改変が消費者向けデバイス全般で免除対象に
2021年10月30日
Adobe、DMCA 削除要請で Flash Player のインストールツールを GitHub から削除させる
2021年10月20日
米連邦最高裁、GoogleによるJava SE APIの使用はフェアユースと判断
2021年04月07日
GitHubから削除された「youtube-dl」関連プロジェクトが復活へ。違反の事実はないと判断
2020年11月19日
DMCA削除要請により、広告ブロック用フィルターリスト「Easylist」からフィルターが削除される
2017年08月13日
Source: スラッシュドット