headless 曰く、
カナダ・ヨーク大学などの研究チームによれば、気候変動による海洋哺乳類の分布変化がホッキョクグマの餌から確認できたそうだ (YFile の記事、 Ars Technica の記事、 論文、 動画)。
これまでホッキョクグマは主にアザラシを捕食すると考えられていたが、実際には手に入りやすい餌を食べていることが今回の調査で判明したという。研究チームはホッキョクグマの狩猟枠を割り当てられたカナダ・ヌナブトのイヌイットから8年にわたって組織のサンプル提供を受けており、脂肪組織に含まれる脂肪酸を分析することで餌となった動物とその比率を確認できる。
その結果、ヌナブトのホッキョクグマの餌に占めるホッキョククジラの死骸の比率が増加していることが判明したそうだ。このことは氷を必要とするアザラシが北上してヌナブトでは手に入りにくくなる一方、ホッキョククジラを捕食するシャチが従来よりも北上し、より長い期間滞在している可能性を示す。
現在のところ北極圏全体における海洋哺乳類の個体数や分布に関する情報は少ないが、今回の研究はより詳しい識見を得る手段を提供し、分布の変化にハイライトを当てるものだという。今後のホッキョクグマの餌に関する調査では、通常はその地域でみられない被食動物を含めて気候変動の深刻さと影響の予測に寄与するべきとのことだ。
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Source: スラッシュドット